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2007年7月16日 (月)

登場人物紹介(1) 葛木連戸主

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霊亀元年(715)生まれ。光明皇太后の後宮である紫微中台(しびちゅうだい)の少忠(第2話「正倉院」当時)。少忠はまあ、課長クラスですかね。平城宮(ならのみや)という当時唯一最大の中央官庁の、中間管理職です。

葛木氏(葛城氏とも書く)という没落しつつある氏族の末裔として、出世や権力にしがみつかず、日々、小役人としての本分を守って、目先の仕事をこつこつ進めてゆくことに生き甲斐を感じている男です。とはいえ、乗馬や剣にも腕に覚えがあり、ちょっと見には武官に見えるくらい、がっしりした体格と容貌の持ち主です。

趣味は本草学の本など読みながら、家で妻と二人、ごろごろしていること。
特技は役所から家に帰ってきたとき、柱の釘めがけてぼく頭(奈良時代の役人の制帽です)を投げること。
くせはたっぷりした口ひげをひねくること。

三十一才の時(第一話「三笠山」)愛妻、広虫と一緒に百世という男の子の父親探しをしたのがきっかけで結婚します。十四年も年の離れた夫婦なので、つい妻を子供扱いしてしまうこともありますが、どうしてどうして、妻の方が案外しっかり者だったりします。

二人にはなぜか子供ができませんでした。その代わり、聖武天皇と光明皇后に依頼されて、平城京(ならのみやこ)にあふれる孤児たちのなかから、見所のある者を選んで養育する日本初の孤児院を創設します。ここで育って成人した者の数、なんと六十名近く。当時の史書『続日本紀』にも、彼らが成人したので葛木の姓を賜ったとの記述があります。

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お役目大事な小役人の戸主ですから、平穏な仕事生活を悠々と楽しめたっていいはずなのですが、そこは権謀術数渦巻く平城宮。大物たちの権力闘争に、下っ端もいやおうなく巻き込まれ、夫婦力を合わせ(特に後半二話はあの世とこの世の二方面作戦で)、毎話あの手この手で窮地を切り抜け、小役人の意地で仕事の筋を貫き通します。

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