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2007年7月15日 (日)

齋藤孝 『理想の国語教科書』 文藝春秋

2002年4月26日読了。

実際、各社の中学校向け国語教科書の収録作品を見てみると、あまりにも「子どもをなめている」としかいいようがない。乙武くんの文章が悪いとはいわないけれど、もっと子どもに読ませるべき文章は山のようにあるだろう。どうも、本当に子どものためを考えているというよりは、身体障害者とかバリアフリーの問題にも目配り届いてますよという教科書会社のポーズにすぎないのではないか。「文学界」のアンケートで口々に非難の声を上げている大作家の方々にはまあ人ごとだろうが、これから子どもを育てようとする身には深刻な事態。学校教育なんぞに多くを期待しないけれど、頼むから息子の直哉を読書ぎらいにだけはしないでほしい。読み書きと辞書のひき方くらい教えてくれればいい。歴史の授業もいらない。石森章太郎の『マンガ 日本の歴史(全55巻)』でも読ませるから。歴史の時間には、学校が実質的に教えてくれなくなった算数と理科の本でも読んでいなさいと言いたい。

息子の教育のためにいちばんいいのは、ぼくが肝臓でも壊して死ぬか女をつくって出奔するなりして、書庫書斎蔵書の一切を勉強部屋として明け渡すことにちがいない。国語や歴史は言うに及ばず、数学、サイエンス、はては音楽、性教育にいたるまでバッチリOK。

『理想の国語教科書』は小学校高学年の子どもに読ませることを想定して文章を選んでいる。いまはどれも中学校とか高校の教科書に入っているか、どこにも入らなくなってしまった作品ばかりである。難しすぎるのではという意見も当然あるだろうが、ちょっと背伸びをして難しいものに噛みついていくほうが、励みになるし、読書好きの子どもをつくると思う。「国語は体育だ」という著者の意見に賛成。

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