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2007年7月

2007年7月21日 (土)

『天平冥所図会』 出版打ち上げ

昨夜は『天平冥所図会』の無事出版を祝って、新宿の割烹料理屋で打ち上げ。
この話、「別冊文春」への連載開始時から数えると足かけ6年という長丁場となり、もちろんそればかりやっていたわけではないが、途中、多くの担当者の方にお世話になり、相談に乗ってもらい、時に迷惑もかけた。

文藝春秋の担当編集者Hさん(初代)、Sさん(2代)、H部長。
それから装丁をしていただいたデザイン部の野中深雪さん。

特別ゲストとして表紙や目次にかわいらしいキャラクターを作っていただいたイラストレーターの三木謙次さんにもお会いすることができた。どことなく、北野勇作に雰囲気の似た30代半ばの方。「肌がきれい」というのが話題になり、同年代の女性編集者たちから羨望のまなざしを注がれていたのであった。私は感謝と敬意を表するため、山之口家特製の天平冥所図会Tシャツと団扇を持って行く。思えばこの日は朝からこのTシャツ姿で、明治大学の教壇に立っていたのであった。

私やSさんが三木さんにお願いすることにしたのは、仁木英之くんの『僕僕先生』の表紙を見て、わが『天平……』にも魅力的なキャラが欲しい! と思ったからで、元々の依頼は表紙のイラストで、主役級の登場人物5人の顔を決めてください、というものだったが、三木さんは本を読んでノリノリで仕事をしてくださり、なんと目次後の「主要登場人物」全員の似顔を作ってくださったのだった。もちろんそのページに使わせてもらっている。
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なお、三木さんのご厚意により、このサイトの「登場人物紹介」では表紙イラストの一部掲載を認めていただいた。うれしい! これでぐんと登場人物への親近感もアップするかも。

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2007年7月17日 (火)

登場人物紹介(3) 藤野別真人(和気)清麻呂

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広虫の三つ違いの弟です。
采女として宮仕えしていた姉がひょんなことから戸主と結婚してしまい、各郡から子女を一人ずつ宮仕えに出す、というルールに則って、兵衛として宮仕えしなければならない羽目に。トホホ……。

京では兵衛府に勤めており、しばしば義兄の戸主に無茶な頼み事をされて困り果てます。それをうまく断り切れない人の好さは生涯ついてまわり、それで役人として損をするかといえばそんなことはなく、はるか後年には、桓武天皇の右腕ともいわれる大政治家へと成長します。

Kiyomaro

この作品では主に「第四話 宇佐八幡」で大活躍しますが、ここでも生まれながらの、嘘一つついたことのない人の好さが裏目に出て、妖僧道鏡の思う壺に落ちてしまいますが……。

左の図で、妖怪人間ベムのような顔色をしているのは、瀬戸内海の荒波を乗り越えて宇佐八幡に神託を授かりにいく海路で、船酔いに苦しみ抜いているからで、ふだんからこういう顔色の人、というわけではありません。

ちょっと本文の紹介を……

 右兵衛府に清麻呂を訪ねた。清麻呂は兵営の庭で宿直仲間と投げ矢に興じていたが、戸主に気づくと戸口まで出てきた。
「義兄(にい)さん、よくこことわかりましたね」
「今日は宿直だと広虫から聞いた」拳からつきだした親指で背後を指す。「ちょっと頼みがあるのだ」
 兵営の裏手で頼み事を打ち明けられた清麻呂は思わず大声を出した。「えッ、私の権限でそんな事ができるとでも……」
「できる。万一上司に見つかったら、不審な者を発見したから部下に追いかけさせたが、まだ戻らないとでもいっておけ」
「そんな無茶な」
「無茶は承知で頼むのだ。明日一日でよい。おまえの部下で騎馬に巧みなやつを三騎、目をつぶっておれに貸してくれ。そいつらにも駄賃(だちん)ははずむ」
「そういう問題では……」
「おれの部下どもは書類仕事に長けていてもこういう荒事にはとんと向かん。騎馬でおれについてこられるやつさえ、たぶん一人もおらん」
 戸主の言葉に清麻呂は耳ざとく反応した。「荒事、といいましたね」
「おまえに迷惑をかけたくないから中身は伏せる。自分の義兄(あに)を信じろ」
「もう十分に迷惑が……」清麻呂はぶつくさいっていたが、ついにあきらめた。考えてみればこの義兄の頼みごとをうまく断れたことは一度もない。「ええい、わかりました。明日の日の出前に三騎そちらに寄越します。それでいいんですね」
「やはり持つべきものは可愛い義弟だ」ふくれ面をした義弟の背中を、破顔しながらどやしつけた。「悪いがおれの馬と、あともう一頭、荷を担げる強い馬も貸してくれ」
「その二頭も空馬で、不審な者を追いかけて行くわけですか」清麻呂は精一杯の皮肉をいう。
「そういうわけだ。ははは」戸主は屈託なく笑った。

                           (第2話 正倉院)。

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2007年7月16日 (月)

登場人物紹介(2) 藤野別真人(和気)広虫

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天平二年(730)、備前国藤野郡(いまの岡山県和気町)生まれ。郡司の娘として、十代半ばで同郷の下道(吉備)由利と二人、上京して采女(女嬬)として平城宮(ならのみや)に仕える。普通なら、三年も勤め上げて藤野に帰り、地元の豪族の跡取り息子とでも結婚、というのがお決まりのコースなんですが、上京の途上で行き倒れになりかけているのを救った百世という男の子の父親探し(第1話「三笠山」所収)が元で、倍近くも歳の離れた葛木連戸主に見初められ、結婚することになります。

「だって、こっちは子供だし、あっちは大人じゃないの」

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登場人物紹介(1) 葛木連戸主

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霊亀元年(715)生まれ。光明皇太后の後宮である紫微中台(しびちゅうだい)の少忠(第2話「正倉院」当時)。少忠はまあ、課長クラスですかね。平城宮(ならのみや)という当時唯一最大の中央官庁の、中間管理職です。

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2007年7月15日 (日)

古処誠二『ルール』 集英社

最近読んだミステリの中で屈指の一冊。ぼくより十も若い作者にこれほど迫真の軍隊話が書けるとは驚きであるというか、軍事ヲタクの作者がこのあたりまで書込めば迫真性を感じられるほどに実際の戦争体験が風化してきたということだろう。軍隊経験者に読ませてみたらどう思うか聞いてみたい気もする。「戦争体験を語る」ことについて戦争体験者たちがよく言う「体験した者でなければ語れない」という主張は、じつは矛盾している。体験した者でなければ理解できないのであれば、それを他人に語り伝えることなどそもそもできないのであるし、他人に語り伝えられるのであれば、それは体験者でなくてもできるはずなのである。延々と続く極限状態の描写がすさまじく、『Uボート』で息苦しくなるのと同じ意味で腹が減る話だった。ぼくは昔、断食ヲタクだった時期があって、二週間水だけで過ごしたことがあるのだが、その感覚がまざまざと蘇った。体重計ってみようか。

姫山軍曹というサブキャストの博多弁がなんとも効果的に使われているのだけど、この作者は福岡出身なのだろうか。東京言葉以外に、自信をもって使える方言を持っている作家は得だと、つくづく思う。

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吉川幸次郎『元明詩概説 中国詩人選集二集2』 岩波書店

2002年4月20日読了。

この時代は水滸伝、西遊記、金瓶梅など小説の時代で詩は低調かと思っていたのだが、その蒙を啓かれた。今でも割と愛唱されている漢詩のいくつかが、この時代から出ているのだ。「正気の歌」の文天祥とか、元好門、李夢陽ら。一つ収穫があったのは、「正気」というときの「気」、つまりは気功でいう気だが、中国四千年の歴史とともにあるのかと思っていたら、たかだか宋の時代の儒教から出てきたことらしいということ。

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齋藤孝『三色ボールペンで読む日本語』 角川書店

2002年4月20日読了。

角川でぼくを担当してくれている編集者のY君がくれたのである。ちなみにその前には、「入社してはじめて作った本です」と言って日垣隆 なんでも買って野郎日誌をくれた。特製の三色ボールペンがセットになっているんだけど、齋藤さんには悪いが使わなかった。昔から使い慣れてる3Mのテープフラッグによる方式が、二色で色分けするのと等価だというのと、やはり本に線を引くことへの抵抗をぬぐいきれないのだった。とはいえ、主観重要と客観重要を峻別すべきという主張には説得力があり、なにか新方式を考えるべきかもしれない。

著者の齋藤さんは声に出して読みたい日本語がミリオンセラーになったり、ますますご活躍である。新潮学芸賞のときのパーティーでお見かけしたことがあるが、とにかく元気な人。「頭の中まで筋肉」というのは体育会系学生を揶揄する常套句だけど、齋藤さんの場合、脳でもあり筋肉でもある得体の知れない物質Xで全身が作られている感じで、とにかく頭と身体の連携、というかフィードバックが十分に、かつすばやくとれている人なのであった。

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『袁宏道 中国詩人選集二集11』 岩波書店

2002年4月23日読了。

明の万暦年間に活躍した詩人。詩は個性的で、新奇なものを追い求める傾きもあるけれど、たとえば唐末のある種の詩人――李商隠などのようには難解でなく、われわれ現代人でも容易に味わえる。満洲事変当時の中国でブームになったというのもうなづける話。この「中国詩人選集」、「総索引」をのぞいて32冊あるのだが、大昔に衝動買いしていくつか読んだまま、長らく中断していた。昨年夏に再開して、ようやく全巻読了。いちばん先に読んだとおぼしき「杜甫 上」には「1991.1.11」の日付があるから11年かかったことになる。もっとも、後の25冊はトイレの常備本として読んだのだから、トイレといえどもばかにならない。年産(?)40冊程度にはなるかも。

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齋藤孝 『理想の国語教科書』 文藝春秋

2002年4月26日読了。

実際、各社の中学校向け国語教科書の収録作品を見てみると、あまりにも「子どもをなめている」としかいいようがない。乙武くんの文章が悪いとはいわないけれど、もっと子どもに読ませるべき文章は山のようにあるだろう。どうも、本当に子どものためを考えているというよりは、身体障害者とかバリアフリーの問題にも目配り届いてますよという教科書会社のポーズにすぎないのではないか。「文学界」のアンケートで口々に非難の声を上げている大作家の方々にはまあ人ごとだろうが、これから子どもを育てようとする身には深刻な事態。学校教育なんぞに多くを期待しないけれど、頼むから息子の直哉を読書ぎらいにだけはしないでほしい。読み書きと辞書のひき方くらい教えてくれればいい。歴史の授業もいらない。石森章太郎の『マンガ 日本の歴史(全55巻)』でも読ませるから。歴史の時間には、学校が実質的に教えてくれなくなった算数と理科の本でも読んでいなさいと言いたい。

息子の教育のためにいちばんいいのは、ぼくが肝臓でも壊して死ぬか女をつくって出奔するなりして、書庫書斎蔵書の一切を勉強部屋として明け渡すことにちがいない。国語や歴史は言うに及ばず、数学、サイエンス、はては音楽、性教育にいたるまでバッチリOK。

『理想の国語教科書』は小学校高学年の子どもに読ませることを想定して文章を選んでいる。いまはどれも中学校とか高校の教科書に入っているか、どこにも入らなくなってしまった作品ばかりである。難しすぎるのではという意見も当然あるだろうが、ちょっと背伸びをして難しいものに噛みついていくほうが、励みになるし、読書好きの子どもをつくると思う。「国語は体育だ」という著者の意見に賛成。

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《書きかた》の冒険

 せっかく作家のはしくれになれたというのに、ぼくはその貴重な特権の一つをみすみす放棄してしまうところではなかったか。
 特権? そう。いろいろな道具で、いろいろな書きかたをしてみるという特権をである。

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カレー第二定理

 カツカレーのデータ構造に関する議論(注:カツ丼とカツカレーは似ているように見えるが、そのデータ構造はまったく異なるという哲学的議論)が解決をみたあとも、カレーには何かしら問題があるような気がしていた。

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焼きそばミッシング・リンク

 福岡空港に降り立ち、久留米行きの高速バスを待っていると、向こうの電光掲示板に、京大チームがミャンマーで発見した化石により、真猿類の起源がアジアにあるという説が有力になったとのニュース。これはたいへんなことである。いままでほぼ既定事実として扱われてきた、霊長類のアフリカ起源説に大きなひびがはいるからだ。
 しかしまあ、このニュースを見て、関係部署にケータイで指示を出しまくったり、
「大変だ、こうしちゃいられない」」
などと次の便で東京にとんぼ返りしちゃうようなビジネスの人がいるだろうか? 日本の公共ニュースはレベル高いなあ……。というか、余計な《情報》までがみんなにばらまかれているだけか。
 今回は冒頭から脱線。焼きそばの話でしたね。久留米についたわたしは、毎日あれを食い、これを食ったあげく、もはやこれといって食うべきものがなくなってしまったことに気づいた。そんなある昼飯どき、西鉄久留米駅から街いちばんの(といっても、たいしたことなはい)商店街を歩いていて、「焼きそばの 想夫恋」の看板が目についたのである。

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完全演技者 (2005 角川書店)

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八十年代テクノ・ポップの世界を舞台にした音楽ミステリ。このジャンルは、デビュー作『オルガニスト』以来です。テーマは「人間はなぜ自分以外のものになりたがるのか?」

内容

(帯のキャッチより)
僕は生涯、忘れない。別の自分を演じ続けた、あの男を。
素顔を仮面に隠し生きた完全演技者。人は、生まれながらの人格を捨てることができるのか?
愛と変容、転生。疾走する青春を描いた意欲作!!

NY、ソーホー。この街に降り立った大学生・オサムは、伝説のアーティスト・ネモの超絶パフォーマンスに心奪われる。仮面に覆われた倒錯的世界、現実ともつかぬ生活、未知の魔力がオサムを変容させてゆく。
自分でない、何かへ――。

登場人物

クラウス・ネモ
NYで活動するパフォーマンス・アーティスト。ステージ以外でも素顔、経歴、私生活を一切明かさないため、「トータル・パフォーマー」と呼ばれている。女声ソプラノ並の高く、澄んだファルセット・ボイスからテナーまで、七色の声を使い分ける。
オサム・イノ(シュウ)
本書の主人公。井野修。ネモのパフォーマンスに惹かれてNYに渡り、パフォーマンスの世界に飛び込んだ日本のロック・ボーカリスト。
ジェニファー
ネモ・バンドのメンバー。パーフェクト・ボディを活かして官能的なパフォーマンスで男たちを魅了する。
ボブB
ネモ・バンドのメンバー。MIT出身のマッド・サイエンティスト的パフォーマー。
オーヤン
チャイナタウンに住む凄腕の偽医者。自らも奇病に悩まされている。
パルマ
音楽誌のライター。オサムをネモたちに引き合わせる。
サラ
東京でオサムと同棲していた恋人。オサムの音楽活動をさまざまに支援する。
デビッド・ボウイ
もはや説明不要のグラム・ロックの覇者。

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グランドコンサイス英和辞典 (2001 三省堂)

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三省堂が出した、携帯版では日本最大36万項目収録の英和辞典。

ぼくは、明治大学の石川幹人助教授(現教授)、フリー・エンジニアの野口直夫さんと共同で、コンピュータ・情報関連用語約25,000語の執筆にあたりました。

養老孟司先生からオビにつぎのような推薦文をいただいて、約3年にわたる執筆作業の努力が報われた気がしています。

「この辞典は広範囲な分野が扱われており、どのような目的で使う読者であっても、不満を感じないで使えるのではないかと思われる。とくに理科系の用語が豊富で、コンピュータ用語などはこれだけでその専門辞典を兼ねるのではないかと思えるほどである。」

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オブジェクトデータベースのエッセンス M.E.S.Loomis著 野口喜洋訳 (1996 トッパン)

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技術者としての、おそらくは最後の翻訳書。ODMG-93策定の中心人物の一人であったメアリー・ルーミス女史による、センスのよい解説書です。Khoshafianの本ほどべたっと全体を論じるよりは、むしろ「なぜオブジェクト・データベースか」を、プログラマ、データベース管理者などの複数の視点から多角的に論じることに主眼をおいています。

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オブジェクト指向データベース S.Khoshafian著 野口喜洋・小川束訳 (1997 共立出版)

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日付は新しいのですが、2冊目の翻訳書です。オブジェクト・データベースの詳細な解説書です。雑誌「bit」の別冊として出されたものを、後に単行本の形式で出版しなおした本です。

上級プログラマの間では誰知らぬ者もなかった雑誌「bit」も、ついに廃刊してしまいました。かと言ってプログラマの全体レベルが向上したのかと言えばそうでもなく……。日本のソフトウェア産業はいったいどこに行ってしまうのでしょうか……って、要するに社会的地位が低すぎるんだと思うな。

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オブジェクト・データベース標準:ODMG-93 R.G.G.Cattel著 野口喜洋他訳(1995 共立出版)

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最初の翻訳書。当時、オブジェクト技術の標準化案策定に関わっているメンバーを集めて、オブジェクト・データベースの標準として有力であったODMG(Object Database Management Group)の規格を紹介した本です。

その後、オブジェクト・データベースは主としてベンダー間の仲間割れから、Oracleなど既存のリレーショナル・データベースの拡張版に市場を奪われ、地理情報データベースなどのニッチに押しやられてしまった感があります。技術の未来は5年先と言えどもなかなか予見できないものです。

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C++:オブジェクト指向への10steps(1993 啓学出版)

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はじめて出版した本です。啓学出版は情報科学など理科系の出版社としてはわりあい大手でしたが、その後倒産。自動的に絶版となりました。

Cプログラマを対象に、プログラミング言語C++の使い方と、オブジェクト指向プログラミングの考え方を、禅の「十牛図」になぞらえて10の段階に分けて説いた解説書です。

いま読み返すと、文章にもアラが目立つし、技術書としての手際もイマイチではありますが、思えばこのときから、本を書きたい」という欲望の虜になっていったような気がします。

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瑠璃の翼 (2007 文春文庫)

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筆者の祖父・野口雄二郎の生涯を軸にノモンハン航空戦を描いた『瑠璃の翼』の文庫版。
解説を昭和史研究の第一人者・泰郁彦先生にいただきました。

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母のキャラメル (2004 文春文庫)

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『音楽の父親』を収録した2000年度ベストエッセイ集を文庫化。

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瑠璃の翼 (2004 文藝春秋)

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ノモンハン事件(ハルハ河戦争)の空を舞台に、実在の飛行戦隊「稲妻部隊」隊長・野口雄二郎と、戦闘機パイロットたちの活躍を描いた歴史小説。生き残ったパイロットや関係者たちへの丹念な取材をもとに、国境の空で繰り広げられた激闘を活写しています。主人公と交流のあった北原白秋の詩も絡め、日本航空史を縦糸に、参謀と兵や国民の狭間に咲いた一将校の人生を横糸に、昭和史の一時代を描いたスペクタクルです。

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短編ベストコレクション (2002 徳間文庫)

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日本文藝家協会が2001年に雑誌掲載された短編小説から20篇を選んだベスト短編集です。SFマガジン12月号に掲載した音楽SF小説『最後のSETISSION』が収録されてます。ファンタジーノベル大賞関係者としては、恩田陸さん『オデュッセイア』、森青花さん『闇鍋』も選ばれています。がんばれ同志よ!

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天平冥所図会 (2007 文藝春秋)

増刷できました! 好評発売中!
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別冊文藝春秋」に6回にわたって掲載された連作歴史中編『天平DINKS』を、ほとんど全面的に改稿した作品。はっきりいって全くの別物ですから、雑誌で読んだ方もぜひご一読を!

人々が闇に息づく魑魅魍魎を信じ、共に暮らしていた天平時代。平城宮で葛木連戸主と広虫の役人夫婦が幽界顕界とびこえて活躍する!

青丹よし奈良の都は~と万葉集に歌われた華やかなりし天平時代。権謀術数を巡らすのは重役でも、下っ端役人とはいえ否応なくその争いに巻き込まれ、上手く立ち回らねば無実の罪を着せられ、職を追われ、下手すれば命さえ狙われる。大仏建立に絡む行方不明事件をきっかけに親しくなったちょっと歳の離れた葛木連戸主(かつらぎのむらじへぬし)と和気広虫カップル。この二人がやがて夫婦となって、時に怨霊の力も借りつつ、権力悪に立ち向かう! 史実をもとに花開く、会心の天平ファンタジー絵巻登場。

構成
 4つの中編からなる連作中編ですが、全体を貫く大きなストーリーもあります。

 第1話 三笠山 (書き下ろし)
 第2話 正倉院 (雑誌掲載作品を大幅に改稿)
 第3話 瀬田大橋 (雑誌掲載作品を改稿)
 第4話 宇佐八幡 (雑誌掲載作品を改稿)

主な登場人物(各自の名前は登場人物紹介へのリンクです)

葛木連戸主 光明皇太后の後宮・紫微中台の少忠。
藤野別真人(和気)広虫 後宮に仕える女嬬。後に戸主の妻。
藤野別真人(和気)清麻呂 広虫の弟。右兵衛府に勤める。
吉備真備 戸主の元上司。遣唐使や大宰府長官などを経て中央政界に返り咲く。
吉備由利 吉備真備の娘。広虫の同僚。
聖武天皇 第四十五代天皇。
光明皇后 聖武天皇の后。後に皇太后。
孝謙天皇(重祚して称徳天皇) 第四十六代天皇。聖武天皇と光明皇太后の一人娘。
藤原仲麻呂 紫微中台長官。皇太后の甥で藤原南家の次男。
弓削道鏡 孝謙上皇から寵愛を受け、看病禅師から大臣禅師になる。
藤原永手 藤原北家の次男。
賀茂角足 戸主の直属上司。紫微大忠と左兵衛率を兼任。

これから何日か、それぞれの物語や登場人物たちを紹介していきますので、ご期待ください。

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母のキャラメル (2001 文藝春秋)

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日本エッセイストクラブが選んだ、2000年のベストエッセイ集に、別冊文春に発表したエッセイ『音楽の父親』が掲載されました。

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われはフランソワ (2001 新潮社)

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長編第二作は、中世フランス最大の詩人・フランソワ・ヴィヨンを主人公とした空想歴史小説です。 出版のときの宣伝コピーから…… 「大泥棒にして人殺し、だのにフランス文学史上最高の抒情詩人と今なお讃えられる破天荒な男-フランソワ・ヴィヨン。謎につつまれていたその生涯を現代に甦らせたピカレスクロマン。」

第125回直木三十五賞の候補作品となりました。受賞作は藤田宣永さんの『愛の領分』

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0番目の男 (2000 祥伝社文庫)

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最近わりあいメジャーになった感がある、祥伝社400円中編シリーズの、第一期21点の中の1冊です。

2010年、深刻な環境破壊などの危機を打開するため、クローン技術によって優秀な人材を「大量生産」する計画に協力した環境工学技術者マカロフは、千人のクローン人間の「親」となった。七十年の人工冬眠の後、彼が見た、成長した「分身」たち――あり得たかもしれない別のマカロフたちの姿とは?そして「オリジナル」の運命は? 起こり得る未来を描く、感動の傑作SF!

いよいよヒトクローン誕生が噂される時代になって、なんだかひしひしとデジャブを感じています。

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誰も言わなかった『大演奏家バッハ』鑑賞法 (2000 講談社)

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音楽家や評論家の方々による、バッハの魅力と秘密を語るエッセイ集に、小説家としてなぜか一人だけ参加。
収録作品は『音楽種B――SF的バッハ論』。

国際キリスト教大学の金澤正剛先生はじめ、以下の豪華執筆陣の中に混ぜていただきました(執筆順・敬称略)。

山之口洋、S.フッソング、工藤重典、千住真理子、茂木大輔、東儀秀樹、延原武春、渡邊順生、植田義子、鈴木雅明、三澤寿喜、森立子、秋岡陽、小塩節

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オルガニスト (2001 新潮文庫)

デビューから2年9ヶ月……新潮文庫の一冊となった『オルガニスト』です。単行本の三人称を主人公テオの一人称に書き改めるなど、全面改稿を施しましたので、書名として『オルガニスト 完全版』を主張したのですが、それOrganist_bun
だと、まだ絶版になっていない単行本を否定することになるとの新潮社の意見……なるほど、ごもっとも。

『パラサイト・イブ』、『八月の博物館』などの作家・瀬名秀明さんに解説をいただきました。この解説は、史上初の「山之口洋論」でもありますから、中身はともかく(?)、ご一読を……。

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オルガニスト 韓国語版(1999 GODO)

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『オルガニスト』の韓国語版です。右上にハングルで『オルガン演奏者』と書いてあります。ぼくにとっても単なるコレクターズ・アイテムでして、ぜんぜん読めません。

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オルガニスト(1998 新潮社)

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第10回日本ファンタジーノベル大賞 大賞受賞作。小説家としてのデビュー作です。この賞の先輩後輩には、酒見賢一、北野勇作、鈴木光司、佐藤亜紀、佐藤哲也、池上永一、宇月原晴明といった作家さんたちがいらっしゃいます。

出版のときの宣伝コピーから。

「交通事故で肉体の自由を失ったある天才オルガニストの、音楽に賭ける純粋な思いは、やがて師との確執を生み、さらに巨大な悲劇につながってゆく。愛と友情、才能、信仰、芸術、テクノロジーが織りなす、バロック・ファンタジー!」

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