究極の携帯端末
デジタルペンについてはバソコン(C+I)と紙という新旧メディアの間をつなぐ技術として、数年前からひそかにフォローしていた。昔、『アノト社のbluetoothボールペン』という文章で書いたこともある。ただ、これまでのはペン先が現在位置をセンスするために専用用紙が必要だったり、ペンの太さがとってもアメリカンだったりして、3万円近い額を出そうという気にはちょっとならなかった。ところが今回のは、メーカーが日本の誇る筆記具メーカー・ぺんてるである事もあり、まず何よりも、あたりまえのペンとしてしっかりした作りになっている。
さて、このペンで書いた文字や図表――つまり、すべての筆跡は、ペンの上に見える黒い検知・記録ユニットが測定し、フラッシュメモリに記録するようになっている。スキャナと違い、画像ではなく、あくまで点列をつないだ線のデータとして記録しているところがミソだ。データはとってもコンパクトで、この用箋なら200枚分は納まる。パソコンとはUSBで接続し、データを吸い上げる。
だから、この半月くらい、僕はどこに行くにもこいつを持ち歩いて、原稿を書くのに使っている。この写真に見える組み合わせで重さは200g強であるから、ノートパソコンを持ち歩くのにくらべれば大分軽いし、座れない電車でも原稿が書けるのは、いかにも「時間を有益に使っている」という自己満足を刺戟してくれる。
ところで、この道具はもっぱらキーストロークを記録するだけなので、文字コードを入力してくれるわけではない。そこで、いささか工夫をこらして、紙面に定義した仮想キーボード領域をペン先でつつくと文字コードを入力するように改造を加えてしまった。改造と言ってもハード的なものではなく、サポートサイトからSDKを手に入れて簡単なプログラムを作っただけだが。
結果はまさにビンゴ! 文字入力の速さは手書きのおおむね倍くらい。50音表をペン先でつんつんつついてる分には、入力ミスもほとんどない。漢字部分は手書きだから、出力結果は誘拐犯の脅迫状みたいだが、あとはHTML編集ソフトでいかようにも手直しできるようにしてある。
この画期的な製品を世に出した技術屋さんに拍手! だが、彼らといえど、こんな使いかたがあるとは気がつかなかったに違いない。
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