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2003年1月 3日 (金)

放鷹術を見に行く

浜離宮恩賜公園に、放鷹術(ほうようじゅつ)の実演なるものを見に行く。時代劇なんかで、お殿様の鷹狩りのときにやるやつね。こんな優雅なことを思いつくのは誰かといえば、佐藤哲也・佐藤亜紀の夫婦なのであった。

当日はかれらと銀林みのる、粕谷知世のファンタジーノベル組五人。朝から粉雪が舞う天候のなか、「風流とは寒いものかな」と思いながら一時間ほどの実演を見物したのだけれど、雪に浜松に白鷹という、花札か初夢のような光景はなかなか乙だった。鳥打帽に道行コート(?)、脚絆に地下足袋という、維新のころの新聞記者みたいななりをした鷹匠が四人で、四羽の鷹を使って実演する。鷹匠なんてもうみな老人かと思ったら、案外若い、われわれより年下かもしれない人さえいて、当分はこの伝統も安泰な感じである。中盤からナレーションをやっていたのは、タニグチリウイチによく似た鷹匠の一人。

鷹の飛行がなぜああ優雅かといえば、極力飛びたがらない怠惰な性格ゆえとのこと。だからなるべく羽ばたかず、最短距離を飛んで獲物に襲いかかるというわけらしい。ふうむ、なるべく文章を書きたくない怠惰な作家がよい文章を書くのとおなじだなあ、と勝手に納得する。

圧巻は汐留に建ったばかりの電通ビル屋上(高さ約200メートル)からのハヤブサのロングダイブ。石を投げたよりもすばやい急降下から生き餌の鳩につかみかかるところでは、会場がおおいに沸いた。放鷹術は古のものだが、これは二十一世紀にしか見られない出し物である。

毒ガスの名のようなシオサイトなる商店街のすかした焼き鳥屋で赤ワインをがぶ飲みし、ようやく人心地ついた。いま何を書いているのかとか、あの作家のここがいかんとか、そんな話をして流れ解散。屋上を使わせてやるだけであれだけの客が集まるのなら、電通的には申し分ないであろう。

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