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2002年6月15日 (土)

安心の押し売り

10日のこの欄に息子・直哉の転落事故のことを書いたところ、多くの友人知人・読者・学生さんたちからお気遣いと励ましをいただいた。大変ありがたいことだけど、WEB日記というものについて、いささか考え込んでしまった。

息子の事故はもちろんぼくや家族にとっては一大事だが、WEBを通じて不特定多数の方にその心配を押し売りしてしまったのではないか、と……。本来、WEB日記とは別の、真にプライベートな場所に書くべきだという意見もあるだろうし、それもまた日記とか雑感みたいな書き物になるだろう。だが、作品を書き、それを書き、これを書くことは、労力の点でぼくの手にあまるし、一方、自分が体験した大事はぜひとも書いておかなくてはならないから、そうなればこれを辞めるしかない。

だけど、せっかく自分の活動状況を伝えるためにはじめたことだし、第一、プライベートなことは書けないようでは日記ではないだろうから、これからはせいぜい押し売りをしないよう注意して、続けていこうと思う。

で、心配していただいている方々に、今度は安心を押し売りして締めくくりとしたい。その後直哉は順調に回復してすでに退院した。親子三人、病院暮らしからもようやく解放された。消防署の実測によれば7メートル40センチの高さから堅い地面に転落して救急ヘリで運ばれたのがつい5日前なのに、どうしてこうなるのか、救急隊員、医師、両親、親族一同、みな狐につままれた気分である。胸を強打したことによる肺挫傷も、鬱血が取れ、何カ所か空いた穴も順調に小さくなっている、顔面の青あざも少し薄くなってきた。その他の症状が出ていないか、入院中に全身をCTやX線でくまなく調べ、あらゆる検査をしたのだが、何も出なかった。骨も折れていないし、そもそも外傷がない。事故当初血まみれだったのは、顔面を強打して大量の鼻血が出たせいだったらしい。

文字通り九死に一生を得た息子に「落っこちちゃったねえ。痛かったねえ」と水を向けると、左手の甲にある切手大の擦り傷を指さして「ここ」と言うのが笑える。負けボクサーのような顔は自分で見えないからである。

事故再発防止のため、あちこちの窓に格子や柵が打ち付けたりして対策を講じる。今週はこの事故のことでまったく仕事にならなかったけれど、やっと普段の生活に戻れそうだ。

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